みなさんはパーツフィーダーでの「チョコ停」に対してどのような対策をしていますか?

「どうしたらチョコ停が解消するの?」「どんな時にチョコ停は起こるの?」などなど、
みなさんそれぞれのお悩みがあると思います。

そもそも、

・「チョコ停ってなに?」
・「チョコ停ってどんな状況?」
・「チョコ停による影響は?」

というように

「どのような意味なのか」「なにがいけないのか」

がわからないという方もいるかもしれません。

今回の記事では、そんなチョコ停の意味やパーツフィーダーでの
チョコ停対策について解説していきます。

1.チョコ停とは?

「チョコ停」とは、JIS(日本産業規格)にも記載されている一般的な表現です。
生産管理用語であり、「小故障」の通称として紹介されています。

設備が生産ラインなどの大規模なシステムの一部となっていて,
システム全体を停止に至らしめるような重大又は決定的な
故障を大故障(通称としてドカ停),逆に設備の部分的な停止
又は設備の作用対象の不具合による停止で,短時間に回復できる故障を
小故障(通称としてチョコ停)という。

出典:日本工業規格 JIS│Z 8141 : 2001│生産管理用語 f)設備管理 1)設備管理 6108 故障

まずは、「チョコ停」とはどのような状況を指す用語なのかを把握する必要があります。
現場で使われている「ドカ停」の用語の意味もあわせて確認していきましょう。

A. チョコ停

 設備の部分的な停止のことで、部品を交換したりせず、調整することで復旧できる故障です。
 短時間で回復できることも特徴ですが、同じ原因での停止が何度も発生してしまう場合もあります。
  
 チョコ停は、1回あたりの復旧までの時間は短時間ですが、何度も発生してしまうと、
 運転効率に影響を及ぼす可能性は大いに考えられます。

B. ドカ停

 生産ラインなどの大規模なシステムの一部としての設備の故障で、
 システム全体を停止させてしまうような重大な故障です。

 ドカ停は、部品破損や調整では解決できない故障となる為、
 長時間(数時間~数日)運転が停止してしまうと考えられます。

2.チョコ停とパーツフィーダー

パーツフィーダーとは、大量の「ワーク」をピックアップしやすい姿勢に整列させる装置です。
装置単体での運転時はもちろん、次工程との関係で「チョコ停」が発生する場合があります。

「ワーク」を供給する設備で発生する「チョコ停」は、

・「どんな原因で発生するのか?」
・「どんな解決方法があるのか?」

新しい設備を検討する際に必ず課題となる内容だと思います。

そんな永遠の課題、パーツフィーダーでのチョコ停について解説していきます。

A. 従来のパーツフィーダー(振動フィーダー)について

 ワークを入れたボウル等に振動を加えることでワークを整列・搬送させる装置です。

 様々な形状、素材のワークの整列が可能で、パーツフィーダーの大部分を占めています。

 ゴム素材、特にOリングのような柔らかく形状が不安定な物(線径が細く、外径が大きい)
 に関しては、整列・搬送が難しく、「チョコ停」が発生し易いという課題もあります。

 汎用性が高いので、機器選定の際には、得意な「形状」「素材」のワークを見極める必要があります。

B. 従来のパーツフィーダー(振動フィーダー)での「チョコ停」の原因と解決方法

 従来のパーツフィーダーでの「チョコ停」の原因はなにがあるのでしょうか?
 解決方法とあわせて解説していきます。

①静電気

 パーツフィーダーは、振動でワークを整列させるため、摩擦と剥離を繰り返しながら
 各工程を流れ、静電気を蓄積しやすくなっています。

 ワーク同士で擦れ合い、摩擦帯電が発生するので、各工程で除電できるように
 イオナイザー(静電気除去器・除電器)を設置する対策が有効です。

②ボウルの汚れ

 ボウルの表面が汚れている場合、スムーズな部品供給が行われず、チョコ停が発生する場合があります。

 チョコ停を起こさないよう、ボウル内を定期的に清掃する必要があります。

③装置自体の不具合

 「経年劣化で振動が弱くなっていてワークがうまく進まない」
 「長期間運転でボール内のコーティングが剥離しワークがうまく進まない」

 など、装置自体にチョコ停の原因がある場合もあります。

 この場合は、装置自体の改善を検討する必要があります。

C. 「サイダ・UMS製 Oリング整列供給ユニット」について

 振動ではなくエアーの力によりワークを整列・搬送させる装置です。

 振動ではなくエアーの力によりワークを搬送するため、ゴム素材の影響を受けにくく、
 Oリングのような柔らかく形状が不安定な物(線径が細く、外径が大きい)の搬送に適しています。

 Oリング整列供給ユニットも従来のパーツフィーダー(振動フィーダー)と同様の課題により
  「チョコ停」の発生リスクはありますが、発注前の「事前テスト」にて排出可否を『事前に検証』するため、
 実際に納品する装置では「チョコ停」のリスクが低くなっています。

 例えば、簡易的な設定ではチョコ停が「3900個中 1個」発生したワークも、
 事前テストにて仕様を細かく設定することによって「10000個中 1個未満」にしています。

 事前テスト調整にてあらかじめチョコ停率の低い設定を選定し、製品版への設計に反映させることが可能です。

D. 「サイダ・UMS製 Oリング整列供給ユニット」での「チョコ停」の対策

 Oリング整列供給ユニットでの「チョコ停」対策はどんな内容なのかを解説します。

①供給可否テスト

 サイダ・UMSでは無料の供給可否テストを事前に行うことによって、
 ワーク毎に最適な仕様を検討し、ワーク専用の部品を 設計・製作 しています。

 発注前に最適な条件を検証することによって、「チョコ停」のリスクを回避することができます。

 供給可否テストにて供給可能と判断された場合は
  ・弊社規格に基づく各時間当たりの排出個数
  ・設定空気圧等
  ・テスト時の動画

 をレポートにまとめ、提出させていただきます。


1.全体俯瞰動画


2.整列イメージ動画


3.テスト結果レポート

 事前に仕様をしっかり決めている為、「リピート品として全く同じ装置が欲しい!」
 となった場合でも問題なく対応可能です。

②出荷テスト

 出荷テストでは発注前の供給可否テストと同様に、最適な条件を検証・設定することによって、
 「チョコ停」のリスクを回避することができます。

 出荷検査時の「各時間当たりの排出個数」「空気圧」「スピードコントローラーの設定」
 の推奨値も、納品時に一緒に提出しています。


テスト結果レポート

3.「Oリング整列供給ユニット」導入に関するご相談について

弊社では実際にご検討中のサンプルワークにて「供給可否テスト」を実施させていただきます。

ご検討中のワークサイズをご提示いただければ、「供給可否テスト」のご案内をさせていただきます。

Oリング供給でお困りの方はもちろん、Oリング以外でお困りの方も、まずは一度ご相談ください!


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No.3:どれが欠けてもうまくいかない?!Oリング選び「3つ」のポイント!

No.2:Oリング選びで困らない為に覚えておきたい使い分けのポイント!!


<平野 遼香>
Oリング整列供給ユニット 営業窓口担当。パーツフィーダーについて日々勉強中。ユーザーのみなさんが“知りたいこと”をお伝えできるよう、学んだ内容を情報発信していきます!最近の趣味は、パン作り。

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New!!Oリング整列供給ユニット 供給実績一覧表
 (内径、線径(厚さ)、外径、材質)

・(導入事例01)車載カメラ用レンズの組込みユニット
 ~導入後の成果(サイクルタイム等)掲載中~
・(動画)段取り替え手順(シュート部取り換え手順)
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