VERSECオーナー様の声 No.11:株式会社アルプスツール様



今回お話を伺った、株式会社アルプスツール(長野県埴科郡坂城町)
第一製造部 製作課 旋盤MCH仕上げ
ご担当者様
(研修経験者)営業部 ロジスティクス課
上條様
[インタビュー] 2024年10月
[ご導入] 2019年3月

御社の事業内容について教えてください。

私たち株式会社アルプスツールは、主に工作機械向けのNCツーリング・回転工具・コレットといった各種工具やバーフィーダといった周辺機器を開発・製造・販売しています。製造部門では、製品品質の向上や新製品の開発、また製造過程の効率化に取り組み、いかに効率良く、そして高精度な製品を生み出せるかを日々追求しています。また、新入社員の教育も重要であり、機械加工の基礎から高度な応用まで、若手が力を発揮できるように育成に力を入れています。

ご担当部署の業務内容や特徴について教えてください。

NC旋盤及び横型マシニングの職場管理や生産管理を行なっています。不具合対応や現場業務のフォローを行なうかたわら、製造中についてしまったキズの修正対応を汎用旋盤で行なっています。また、汎用旋盤作業の教育も担当しています。

汎用旋盤導入前に、御社内で解決したかった具体的な課題や問題点は何でしたか?

導入前の最大の課題は、新入社員の機械加工技術の習得にありました。多くの現場では自動化が進んでいるため、NC旋盤やマシニングセンタの操作には慣れつつも、ものづくりの根本にある“素材を自分の手で扱う”感覚を体得する機会が少なくなっていました。しかし、実際の加工現場では五感を使ったリアルな経験が欠かせません。金属と刃物が接触して発生する振動や切削音、加工中に感じる独特の抵抗感──こうした要素はNC機では体験できず、手動操作の汎用旋盤を使わなければ学べないものです。

私たちの製造現場には、長年の経験から得た“匠の技”や“感覚的な知識”が存在し、これを次世代に継承していくことが重要です。しかし、従来の汎用旋盤は、初心者には扱いにくく、恐怖感を伴うものでした。そのため、新人が汎用旋盤で加工を学ぶハードルが高くなり、指導にも多くの時間が必要でした。また、2015年より職種に関わらずすべての新入社員を対象にした研修「物づくり道場」にて工作機械を使用した研修を行なっております。全く作業経験のない新入社員に従来の汎用旋盤を触らせることには安全面での危険や怖さがありました。

VERSEC-neoの導入を考えた背景には、“若手が怖がらずに扱え、現場の技術と一体感を持って取り組める汎用旋盤が必要”という強い思いがありました。自動機では得られない加工の手応えや、NC機へと応用していくための基礎を、初心者でも無理なく習得できる──VERSEC-neoの存在は、私たちが抱えていた課題に対するまさに待ち望んでいた答えでした。

その課題の解決策としてVERSEC-neoをご選定いただいた決め手は何ですか?

VERSEC-neoを選定した最大の理由は、そのデザイン性と安全性でした。初めて目にした瞬間、これまでの汎用旋盤の“無骨で機械らしい”イメージとは全く違う、美しさと洗練さがあり、“触れてみたい、操作してみたい”と思わせるインパクトがありました。新人研修で使用する機械は、ただの作業機械ではなく、“使いたいと思わせる”ことが重要です。VERSEC-neoは、デザイン性が機械への恐怖心を和らげ、入り口のハードルを下げる存在でした。

もちろん、デザインだけでなく、安全機能の充実も非常に大きな決め手でした。インターロック機能が優れていることが重要で、安全な状態にならないと動かせないというのは新人が使用するにはすごくいい点でした。このような安全機能により、初めて機械に触れる新人が不安を抱くことなく研修に取り組める環境が整い、教育現場で安心して使える旋盤が求められる現場には最適でした。

さらに、サイダ・UMSさんが長年にわたって培ってきた確かな技術力と、100%日本国内で生産されているという信頼感が、私たちの選定に大きく影響しました。旋盤の鋳物から組み立てに至るまで、徹底した品質管理のもとで生産されるVERSEC-neoには、“安定した品質と精度”があり、その信頼の高さが、研修や教育だけでなく、実際の現場における使用にも十分応えうるものと確信しました。

VERSEC-neoご導入後、実際にお使いいただいてのご感想はいかがでしたか?

VERSEC-neoは、まさに「職人のための機械」です。実際に使ってみて驚いたのは、無段階で主軸回転と送り速度を変えられるところ。加工中でも状況に合わせて即座に調整でき、まるで機械と会話をしているような感覚を味わえます。以前の旋盤では、速度を変えるたびに機械を止めなければならず、効率が落ちるうえに刃具の損耗も激しかったのですが、VERSEC-neoはその悩みを解消してくれました。実際に操作すると、「この旋盤は自分の体の一部のように扱える」と感じるほど操作性が高く、作業者のスキルを引き出してくれる魅力があります。

また、「見た目が美しい」ことも意外と大きな魅力です。従来の旋盤は無骨で、正直新人にはとっつきにくい面もありました。しかし、VERSEC-neoはオシャレなデザインが施されているため、初めて触れる社員からも「カッコいい!」と興味を引くきっかけになっています。

教育的な視点としては、インターロックに関して、「なぜ動かないのか・危険なのか」を肌で感じることができたのはすごくよかったと感じています。【研修を受けた上條様のコメント⇒『研修中に何度もインターロックがかかって、そのときは「なんで動かないの?」と思いましたが、このインターロックによって「何度も危険から助けられたのかな?」と思うと、とてもいい機能だと思いました。』】

新入社員研修「物づくり道場」にて上條様が製作


今後の展望についてお伺いします。VERSECに期待している点はどこですか?

今後も、VERSEC-neoを活用して社員の技術レベルの向上を目指していきたいです。また、加工現場における修正や少量生産のニーズにも柔軟に対応できるため、職場全体で長く愛用していける旋盤だと確信しています。

期待としては、製造メーカ様から基礎的な使い方やユーザの想像を超えるような使い方の提案などを動画などで発信していただけたらうれしいですね。そうすることで、ユーザも勉強ができて、さらにVERSEC-neoを使い込みたくなるような環境になると思います。