【お困りごと解決コラム02】Oリング選びで困らない為に覚えておきたい使い分けのポイント!!
ひとくくりに「シール材」といっても世の中にはたくさんの種類があり、
そもそも、
「どんなところに使うの?」
「どうやって使う種類を決めるの?」
「どんな素材がいいの?」
「どんな大きさがいいの?」
部品や設備に組み込むまでには、様々なことを考慮しながら検討をする必要があります。
今回の記事では、シール材の中でも、特に「Oリング」について解説していきます。
1.シール材とは?
シール材を検討する前に、『どんなものなのか』を知る必要があります。
シール材は様々な分野で使用されていますが、「流体をシール(密封・密閉)する」
用途として使用されます。
「シール」については、JIS(日本産業規格)では下記のように定義されています。
流体の漏れ又は外部からの異物の侵入を防止する機能又は部品。
密封と同じ,又は密封するための部品。
出典:日本工業規格 JIS│B 0116:2015│パッキン及びガスケット用語
3 用語及び定義 a) シール一般 10001 シール
まずは、シール材として主に知られている「ガスケット」「パッキン」「Oリング」について
どんなものなのか確認していきましょう。
A. ガスケット
ガスケットとは、静止部分の気密性・液密性を保たせるための「固定用」のシール材です。
主に部品同士の接続部にて用いられ、ボルト等でしっかり固定されることが多いです。
ガスケットの分類としては、「ソフトガスケット(非金属)」「セミメタリックガスケット
(非金属+金属)」「メタルガスケット(金属)」の3種類に大きく分けられます。
B. パッキン
パッキンとは、運動部分の気密性・液密性を保たせるための「運動用」のシール材です。
運動部分にて使用するので、「耐摩耗性」であることや「摩擦係数が低い(滑りやすい)」
材質の選定が必要です。
パッキンの分類としては、「回転運動用」「往復運動用」の2種類に大きく分けられます。
C. Oリング
Oリングとは、気密性・液密性を保たせるためのシール材であり、「運動用(パッキン)」や
「固定用(ガスケット)」として用いられます。
断面形状がO形(円形)であるのが特徴です。
多くの分野にて使用されており、JIS規格品はもちろん、それ以外にも様々な規格品があります。
2.Oリングとは?
多くの規格品があり、汎用性の高いOリングですが、
「どのような規格があるのか?」
「どんな特徴があるのか?」
「どのようにして大きさを選ぶのか?」
など、選定するにあたっていくつか検討する項目があると思います。
そんな「Oリング」について、”どんなものなのか”を確認していきましょう。
A. 特徴
Oリングの「特徴」としては下記のようなことがあげられます。
・コンパクトであるため、装着するにあたって場所をとらない
・着脱が簡単なため、メンテナンスしやすい
・種類が豊富なため、選定しやすく、規格品は入手しやすい
・他のシール材より比較的安価
扱いやすさや価格面、メンテナンスの観点からも「Oリング」は選択肢に入りやすいですね。
B. 種類
「Oリングの種類」については、JIS(日本産業規格)では下記のように定義されています。
運動用Oリング P
固定用Oリング G
真空フランジ用Oリング V
ISO一般工業用Oリング F
ISO精密機器用Oリング S
出典:日本工業規格 JIS│B 2401-1:2012│Oリング 第1部:Oリング
4 種類 4.1 Oリングの種類 表1 Oリングの種類
大きく5つに分類される Oリングの特徴について、1種類ずつ確認していきましょう。
i. P規格
JIS規格によって定められている、「運動用」または「円筒面固定用」、
「平面固定用」のOリングです。
P規格は「運動用」「固定用」両方の用途で用いられます。
「運動用」「固定用」として使用可能なので、まずはP規格のOリングで検討し、
組み込みが難しい場合は、G規格やS規格のOリングを検討するという場合が一般的です。
高速回転での使用には不向きですが、ピストン運動、回転運動部位にて広く使用されています。
ii. G規格
JIS規格によって定められている、「円筒面固定用」、「平面固定用」の
Oリングです。
G規格は「固定用」として用いられます。
固定用として(同じ呼び番号で)は、P規格より線径が細いので、コンパクトな
組み込みが可能です。
iii. V規格
JIS規格によって定められている、「真空フランジ用」のOリングです。
P規格やG規格より比較的線径が太くなっています。
材質としては、ガス透過度や耐熱性が重視されるため、「フッ素ゴム」を
使用することが多いです。
iv. F規格
ISO規格によって定められている、「一般工業用」Oリングです。
主に、油圧機器や空圧機器などに組み込まれています。
v. S規格
ISO規格によって定められている、「精密機器用」Oリングです。
精密な部分にて組み込みできるよう、より省スペース化されています。
航空機や自動車等の、より精度が求められている製品で用いられています。
上記以外にも種類は細分化されており、用途にあわせて選択できます。
規格品の種類も豊富なので、製作する部品に合わせた Oリング を選ぶことができますね。
C. 材質
Oリングの材質は、「どんな環境で使用するのか」によって選ぶ必要があります。
・どのような流体(液体や気体)に接するのか?(耐油性、耐薬品性)
・どのような温度環境で使用するのか?(耐熱性、耐寒性)
・どの程度の圧力がかかる部位に組み付けるのか?(耐圧性、耐磨耗性)
主に用いられることの多い材質の特徴をいくつか確認していきましょう。
i. ニトリルゴム(NBR):耐油性、耐磨耗性、耐老化
ii. 水酸化ニトリルゴム(HNBR):耐油性、耐磨耗性、耐老化
iii. フッ素ゴム(FKM):耐薬品、耐熱性
iv. シリコンゴム(NGS):耐熱性、耐寒性
上記材質のほかにも、様々な材質があるので、選定の際には、使用環境での
「流体」「温度」「圧力」
についてを調査し、最適な材質選定をしていきましょう。
3.「Oリング」の供給について
ここまでOリングを「どのようにして選ぶのか」を確認してきましたが、
次に考えなくてはいけない課題は、
「どのようにして組み付けるのか?」
ということに関してです。
多くの場合、新規立ち上げの初期段階では「手組み」を選択することが多いです。
徐々に生産数が上がっていくと、
「人が足りない」
「生産が追いつかない」
「組み付け忘れや組み付け不備が起こる」
などの課題が見えてきます。
そうなってくると、次の手段としては「手組みを自動化」していくということに
なると思います。
自動化するには、
「どんな方法で組み付けることができるのか」
「どんな装置が最適なのか」
「装置規模はどのくらいになるのか」
など、検討することは山積みです。
その中でも、「Oリングを 1つずつ 供給する」ことについては頭を悩ませるポイントです。
弊社では、この「Oリングを 1つずつ 供給する」ための装置
「Oリング整列供給ユニット」を設計・製作しております。
まずは弊社「Oリング整列供給ユニット」では
「どんな『Oリング』の 供給実績(内径、線径(厚さ)、外径、材質) があるのか」
をご確認ください。
こちらは、あくまでも 供給実績の一部です。
類似ワークの記載がない場合でも、ご遠慮なくご相談ください。
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<平野 遼香>
Oリング整列供給ユニット 営業窓口担当。パーツフィーダーについて日々勉強中。ユーザーのみなさんが“知りたいこと”をお伝えできるよう、学んだ内容を情報発信していきます!最近の趣味は、パン作り。
ダウンロード
ご希望の方は下記のフォームよりダウンロードをお願いいたします。
☑Oリング整列供給ユニットの導入事例
☑ワークの供給実績
☑シュート部(ストレート部)の段取替え
資料一覧
・カタログ
・(導入事例01)車載カメラ用レンズの組込みユニット
~導入後の成果(サイクルタイム等)掲載中~
・Oリング整列供給ユニット 供給実績一覧表
(内径、線径(厚さ)、外径、材質)
・(動画)段取り替え手順(シュート部取り換え手順)