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モノづくり一筋60年。サイダのベテラン社員が語る“人を大切にする会社”のリアル

― サイダの“原点”を体現する岡村静夫さんの歩み ―

皆さんは、ひとつの会社とともに人生のほとんどを過ごすことを想像したことがありますか?


15歳で入社し、78歳の今もなお現役として働く人がいます。
その名は、岡村静夫さん。

彼の人生は、まさにサイダという会社の歴史そのもの
時代の変化を乗り越え、仲間と笑い合い、ときに苦しみながらも、決して仕事を「義務」としてではなく、「生きる喜び」として向き合ってきました

今回は、そんな岡村さんの60年以上にわたる歩みを通して、

働くとは何か

仲間とは何か

サイダという会社の本質

ということに重点をおき探っていきます。


少年が飛び込んだ、鉄の香り漂う職場

岡村さんがサイダ(当時の斎田鉄工所)に入社したのは、まだ中学を卒業したばかりの15歳のとき。
きっかけは、近所の知り合いを通じた小さなご縁でした。

「正直、会社のことはよくわかっていなかったんです。ただ、働かなきゃって思って。自転車で通える距離だったし、それがすべての理由でしたね」と笑います。

当時の会社は、部長3名、同世代の社員はたった3人という小さな組織。
年上の先輩たちに囲まれ、仕事を覚える毎日は、緊張と発見の連続でした。

「最初は何もかもが手探りでした。でも、できることが少しずつ増えていくのがうれしくてね。怒られるよりも、“できた!”って実感する瞬間が楽しかった。」

その素直な感情が、60年後の今につながる“原動力”の芽だったのかもしれません。


部品屋から“モノづくり企業”へ。転換期を支えた青春の日々

会社にとって大きな転機が訪れたのは、「組立業務」を始めた頃。
それまで部品を納品するだけだった会社が、組立・検査までを一貫して行う体制へと挑戦したのです。

客先で学んだ技術を自分たちの現場に持ち帰り、試行錯誤を重ねながら組立ラインを作り上げていく。
岡村さんもその中心にいました。

「午前に3台、午後に3台。多い日は一日で6台以上組み立ててました。夜中の12時を過ぎても作業する日もありましたよ。でもね、不思議と苦じゃなかったんです。仲間と“今日もやりきったな”って笑える。それが何よりうれしかった。」

忙しさの中にも充実があり、仲間と支え合うことで達成感が倍増する。
まさに、“青春の汗”が流れる時代でした。


仲間が家族だった時代 ― 笑いと絆の記憶

当時のサイダは、いわば“家族のような会社”
社員旅行は春・秋の年2回、行き先は若手の希望で決まりました。
野球チームを結成し、ユニフォームまで用意してもらえる。
納涼会ではドラム缶を囲み、トラックの荷台にステージを作って歌い踊る。

「会社に行くのが楽しくて仕方なかったですね。仕事っていうより、仲間と目標を追いかける“部活”みたいな感覚でした。」

そんな雰囲気は、単なる娯楽ではなく“チームの力”を育む大切な土壌でした。
本当に忙しいときは、事務員さんも組立を手伝いに来てくれる。
“みんなでやる”という一体感が自然と根付いていたのです。

「よし、やろう!」
この一言で全員が動き出す。それが、サイダの強さの源でした。


リーダーとしての挑戦。チームを導く責任と誇り

組立業務が拡大する中で、岡村さんは初めて“チームを率いる”立場に
5人の女性と2人の男性、計7名のチームでスタートしました。

「最初はどうまとめていいかもわからなかった。自分が覚えた工程を、どうやって人に伝えるか。それが難しかったですね。」

彼は、昼休みに工程を撮影しては、自分なりの“手順書”を作成
それをもとに全員で改善を重ね、やがて30人規模の組立チームを任されるまでに成長しました。

「みんなが自分の仕事に誇りを持ち始めて、チームがひとつになっていく。あの瞬間が何よりうれしかった。」

それは、単に“上司”としての成功ではなく、人を信じ、人に信頼される喜びを知った瞬間でもありました。


信頼がつくる未来。サイダというブランドの力

サイダが飛躍した背景には、「信頼で仕事をつなぐ文化」がありました。
塗装や油圧配管、電気配線などを担当する協力会社との連携も密接。
毎週10名ほどの外部スタッフが工場に入り、まるで一つの会社のように動いていました。

「外の人も“サイダの仲間”って意識でやってくれてた。だからこそ、“斎田さんなら何でもできる”とお客さんに言ってもらえたんです。」

この言葉は、サイダの信頼を象徴するフレーズとなりました。
新しい機械導入や製品開発の相談が次々と舞い込むのも、長年築いた“人と人の信頼関係”の賜物でした。


不況の波を越えて ― 「信頼は危機にこそ試される」

仕事が途絶えた苦しい時期もありました。
しかし、サイダの社員たちは立ち止まりませんでした

「みんなで営業しよう。誰かが動けば道は開ける。」
2人1組のチームをつくり、それぞれの人脈を頼って新規の仕事を探しました。

「営業の経験なんてなかったですよ。でも“サイダの誰かが困ってるなら、自分も動こう”って。それが自然にできる雰囲気だった。」

この経験を通じて岡村さんが確信したのは、
“仕事の根っこには人間関係がある”ということ。

「どんなに技術があっても、人を信じられなければいい仕事はできません。信頼が、すべての始まりなんです。」


時代が変わっても変わらない「人の力」

定年後の岡村さんは業務委託スタッフとして現場に関わってきました。
その眼差しは、今の若手世代にも向けられています。

「最近の若い人たちは、個人で完結しがちですよね。もっと“人と一緒に働く楽しさ”を感じてほしいなと思います。」

挨拶返事ちょっとした声かけ
そうした基本的なコミュニケーションの積み重ねが、チームをつくり、信頼を育てる

さらに岡村さんは、現代の生産体制についても提言します。

「量産品は夜間に無人で回して、日中は新しい仕事に挑戦する時間にすればいい。限られた人の力を“挑戦”に使うことが、これからの成長につながると思います。」

長年の現場経験から出た言葉には、現代の働き方改革を超えた“実感の重み”があります。


未来の仲間へ ― 岡村さんからのメッセージ

60年以上、同じ会社で働き続けた岡村さん。
その原動力は、決して「義務感」ではありません。

仕事って、人とのつながりで面白くなるんですよ。信頼できる仲間がいると、自然と“もっと良くしよう”って気持ちが湧いてくる。仲間のために頑張ることが、自分の成長にもつながるんです。」

与えられた仕事をこなすだけではなく、仲間と共に考え、挑み、支え合う。
その姿勢こそ、サイダという会社の“DNA”です。


終わりに ― 岡村静夫さんが教えてくれたこと

岡村さんの物語は、サイダという企業の歴史でもあり、
「人が成長する職場とは何か」を教えてくれる生きた教材でもあります。

 仲間と支え合う温かい社風
 挑戦を恐れない文化
 信頼で結ばれた人間関係

それは、どんな時代でも変わらないサイダの魅力。

「会社って、人の集まりなんです。機械でもシステムでもなく、人の心が会社を動かすんですよ。」

岡村さんの静かな言葉の中に、60年の重みがにじみます。

もしあなたが“仲間とともに成長したい”と思うなら、サイダはきっとその舞台になるでしょう。
そして、いつの日かあなたも、次の世代にこう語る日が来るかもしれません。

「サイダで働いてよかった」と。

そして――
60年以上にわたりサイダの歩みを支えてくださった岡村静夫さんは、
10月をもって、その長き現役生活にひと区切りを迎えられました。

15歳の少年としてこの会社の扉を叩き、
仲間とともに汗を流し、笑い合い、幾多の挑戦を乗り越えてこられた岡村さん。
その姿は、まさに「サイダの原点」であり、「人が会社をつくる」という言葉の体現者でした。

岡村さんが残してくださったのは、技術や実績だけではありません。
“仲間を信じることの尊さ”と“働く喜び”という、かけがえのない心の財産です。

60年という長きにわたって、サイダの歴史を共に刻んでくださったことに、
社員一同、心より感謝申し上げます。

岡村さん、本当にありがとうございました。
これからの人生が、どうか穏やかで、笑顔に満ちた日々でありますように。
そして、サイダの仲間たちはこれからも、岡村さんの教えを胸に歩み続けます。

あとがき】

今回取材を通して感じたのは、岡村さんの言葉や行動の一つひとつに「人を大切にする心」が息づいていることです。

技術や知識は時代とともに変わりますが、人と人との信頼や絆は変わらない。

それを実感させてくれるのが、岡村さんの人生そのものでした。

私自身も、記事を書きながら「仕事とは何か」「仲間とは何か」をあらためて考えさせられました。

どれだけ忙しくても、どれだけ困難に直面しても、信頼し合える仲間がいれば、挑戦する勇気が湧く。

岡村さんの姿は、そんな普遍的な真理を教えてくれます。

仕事は単なる「義務」ではなく、人とつながり、喜びを分かち合いながら成長していく場である――。

そう思うと、日々の仕事も少し温かく、前向きに感じられるのではないでしょうか。

私もこの記事を通して、仲間と共に働くことの大切さを改めて胸に刻みました。

未来の仲間へ ― 一歩踏み出すあなたへ

一歩踏み出して、誰かのために動くこと。
それは、社会人になってからだけでなく、今のあなたにもできる“挑戦”です。

岡村さんのように、仲間のために考え、動き、助け合うことで、仕事はもっと面白くなる。
そしてそれが、いつの間にか自分の成長につながっていきます。

今の自分のままで満足してる?――サイダなら、“本当の仕事の楽しさ”を仲間と一緒に味わえます。

仕事ってつまらない?――いやいや、仕事って本当はおもしろい!!

私たちは、これからの時代に合わせて、もっとおもしろく、もっと働きがいのある会社に変えていきます。

あなたの挑戦が、次の60年をつくります。


サイダで、“人と働く楽しさ”を一緒に育てていきませんか。


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書いた人:望月 洋帆
総務部所属。仕事と育児に奮闘中の2児の母。
外部研修・会社訪問を行い日々勉強中。他社からの学び・自社の魅力を楽しくお届けします!!

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