——10年かけて積み上げた“挑戦の軌跡”を、あなたにも。
「今年の展示会、絶対に成功させたいです。」
2025年の準備が始まったとき、
社内にはそんな静かな決意の空気が漂っていました。
華やかに見える展示会。
でもその裏側には、
不安・反省・悔しさ・期待——
積み重ねてきた10年分の感情が詰まっています。
この記事は、ただの展示会レポートではありません。
サイダ・UMSが
なぜ旋盤をつくり続けるのか
なぜ国産にこだわるのか
なぜ挑戦をやめないのか
その答えを、ストーリーとしてお届けします。

MECT2025 展示ブースの様子
MECTって、どんな展示会?
MECTは1987年に始まった、国内トップクラスの工作機械展。
奇数年の秋に名古屋で開催され、“実機に触れられる展示会”として
現場技術者から学生まで幅広い人たちに愛されています。
今年の来場者は 77,613 人。
悪天候もありながら、例年以上の熱気に包まれた 4 日間でした。
サイダ・UMSは 2021 年の初出展以来、今年で 3 回目のチャレンジ。
今回の主役は、もちろんこの機械です。
出展機「VERSEC-neo」

——100%国内生産・直感的な操作性・教育機関でも活躍
VERSEC-neo は
「多才(Versatility)」×「異端(Eccentric)」= VERSEC
という意味を持つ、汎用旋盤ブランド。
「従来の汎用旋盤そのままでは、これからの多様な素材や技術に応えられない」
「操作をもっと軽快に、もっと直感的にしたい」
そんな疑問と理想から生まれました。
✦ VERSEC-neo のこだわりポイント ✦
100% Made in JAPAN
鋳物製造〜加工〜組立まで国内一貫。手キサゲも全て社内で。
“作業者の意のままに動く” 操作性
無段階変速+送り独立駆動で、用途を広くカバー。
教育機関での利用多数
技能検定(普通旋盤作業)の実技試験にも正式対応。
学校・工場・研究機関など、幅広いフィールドから選ばれ続ける理由がここにあります。
展示会プロジェクトは10名編成
今回は営業部・企画開発部・若手社員の計10名でチームを結成。
中心となったのは

企画開発部:三浦さん



営業部長:斎藤さん



営業部:増井さん
の3名。
それぞれ違う役割と視点から展示会をつくり上げていった姿が、今回のレポートの見どころです。


事前ミーティングの様子
営業部長・斎藤さん
名刺交換で終わらせない。工場に来てもらう展示会へ
展示会の準備で斎藤さんが最初に取り組んだのは、
“ブースに立つ人の配置とシフト作り”。
誰がいつブースに立つのか
休憩はどう回すか
ピークの時間帯に誰を配置するか
こうした“当たり前だけど重要なこと”を営業主導で決めていきました。
アンケートは “ 必要な情報 を しっかりつかみにいく 内容に”
今回のアンケートは、明確に営業目線で設計。
どこでベルセックを知ったのか
展示会に来た理由は?
重視ポイントは?(操作性・安全性・国産 etc…)
など、展示会後の営業に “ 本当に使える情報 ” に絞り込みました。
目標は「工場見学につなげる」



「名刺交換して終わりじゃ意味がないんです。
最終的には工場に来てもらい、実機を見てもらう。」
そのために、
過去の問い合わせリストを再整理
来てほしい企業には個別メールで招待
という丁寧な声かけを実施。
結果として、
展示会後すぐに工場見学が複数決まり、すでに受注にもつながりました。
“展示会 → 実機見学 → 契約”の流れが明確に作れたのは大きな成果でした。
準備段階から「目的を達成するために何が必要か」を具体的に考えながら取り組んだ結果、単にお客様と会話して終わる展示会ではなく、「サイダに来て VERSEC を実際に見て・触れてほしい」という思いを持ってお客様に向き合える展示会になりました。
若手営業・増井さん
「話すより、聞く」2回目の展示会でつかんだもの
入社して2回目の展示会を迎えた増井さん。
前回の反省は、ただ一つ。



「自分ばっかりしゃべって、お客様が何を考えていたか覚えていない」
今回は徹底的に意識を変えました。
「まずは話を聞く」という接客スタイルへ
どこでベルセックを知ったのか
何を重視しているのか
どれだけ検討段階が進んでいるか
それを自然な会話の中で拾い、
次のアクション(カタログ送付・見積・工場見学)につなげていく。



「積極的すぎても違うし、控えすぎても伝わらない。
そのちょうどいい距離感をつかむのが、本当に難しいなと感じました。」
と語ってくれました。
来場者の声が教えてくれた“デザインの力”


三条市立大学(新潟県三条市)
今回特に多かったのが、
「汎用旋盤、かっこいいね!」
「デザインがいいから学校に置きたい」
という声。
ベルセックの“見た目の強さ”は、
実は展示会で出会う人たちの心を動かす大きなポイントなのです。
プロジェクトリーダー・三浦さん
「10年分の反省を、毎回“次の一歩”に変える」
三浦さんが準備で必ず最初に行うのは、
前回展示会後の反省アンケートを読み返すこと。
三浦さんに仕事が集中している
休憩が回らない
海外対応の情報が足りない
というスタッフの声を具体的な改善策へ落とし込みました。
今回の大きな方針は「分業化」
営業側:当日の運営・シフト・フォロー
企画側:ブース設計・展示物・申請・業者対応
役割を明確に切り分けたことで、
それぞれが “自分の専門を深く磨く” 動きができました。
「ブースコンセプトを決めるのが一番大変」
営業にまず
「お客様に伝えたいことを10個 出してもらう」
ことから始まり、優先度をつけた結果、
日本製
操作性
安全性
サポート
この4つに絞り込みました。
展示ブースの軸が明確になると、
商社も営業も、説明しやすい “ 共通言語 ” ができます。
結果として、ブース全体の“意思統一感”が生まれました。


ブース内展示の様子
「トラブルがほぼ起きなかった展示会」の理由
今回、目立ったトラブルはほぼゼロ。
これは偶然ではありません。
モニターは破損リスクから撤廃し、パネル展示に
入場証は予備を複数用意
必要物品は過去データから持ち物リスト化し標準装備に



「少し過剰かな?と思うくらいの準備で、
やっと“何も起きない展示会”になるんです」
地味なようで、実は一番重要なポイントです。
お客様が“足を運ぶきっかけ”が変わってきた
今回の展示会で特に印象的だったのが、
「会社から“ベルセック見てこい”と言われて来ました」
「別ブースの方に“面白いのあるよ”と紹介されて来ました」
という “指名来場”の増加。
さらに、
JIMTOF2014でベルセックを見て、
「いつか買うならこれ」と決めてくださっていたお客様が今回ついに購入を決断!!
若い女性エンジニア志望の方が
「こういう機械が好き」と話し、翌日に家族を連れて再訪
など、印象的な出会いが多く生まれた展示会でした。
10年続けてきた展示会の挑戦が、
ようやく“当たり前の候補”として認識され始めた証拠です。
展示会は「ゴール」ではなく「スタートライン」
展示会は派手に見えますが、本当に大切なのはここから。
アンケートの整理
データの分析
来場者フォロー
次回展示会へ向けた改善
展示会後こそ、営業・製造・企画がつながっていきます。
3人とも口をそろえて言ったのは、
「今回の展示会は、ここからが本番」
という言葉でした。


展示会でお客様からいただいた声を通じて改めて実感した『VERSEC(ヴェルセック)の魅力』を、今後もしっかりとお客様へ伝えていきたいと考えています。
今回の展示会を通して、感じたことは
10年の挑戦の積み重ねこそがサイダ・UMSのものづくりを支えている
徹底した準備と誠実な対応が信頼につながる
お客様の声が製品を成長させる原動力になる
専門性を高め合うチームワークが高品質なものづくりを可能にしている
そして展示会は新しい価値を生み出す“次の挑戦の始まり”であるということを改めて実感しました。
これからも私たちは、変わらぬ誠実さと挑戦心で、お客様とともに未来のものづくりをつくっていきます。
最後に——あなたにも、ぜひ見てほしいものがある
VERSEC-neo は、
数字やスペックだけでは語りきれない“現場の熱量”が詰まった汎用旋盤です。
もしこの記事を読んで、
実物を見てみたい
触れてみたい
汎用旋盤の魅力をもっと知りたい
ものづくりの現場がどんな空気なのか見てみたい
今回の展示会を通して、
サイダ・UMSが大切にしてきた“丁寧なものづくり”や、
社員の誠実さ・あたたかさ、そして
汎用旋盤 VERSEC-neo が持つ確かな魅力を
多くの方にお伝えする機会となりました。
もしこの記事を読んで、
私たちの製品やものづくりの姿勢、
そこで働く人の雰囲気に少しでも興味を持っていただけたなら——
どうぞ気軽に会社見学や次回の展示会へお越しください。


社員一同お待ちしております。
書いた人:望月 洋帆
総務部所属。仕事と育児に奮闘中の2児の母。
ブログを通して自社の魅力をお伝えします!!最近は「HANA」に夢中です♪

