会社訪問第2弾!! 気になる会社へ訪問してみました!!
焼津市田尻にある株式会社武村鋳造所さんへ、会社見学に行ってきました。

「鋳物屋」さんって、どんなところだと思いますか?
「熱い」「汚い」「過酷」…そんな3Kイメージがつきまといがちですが、
今回の訪問ではその“向こう側”にある「人のぬくもり」と、「現場のかっこよさ」に圧倒されました。
社員に“寄り添う”工場があった!
まずお出迎えしてくださったのは、4代目社長・武村浩道さん。
創業はなんと明治43年。歴史ある会社ですが、全く古さを感じさせない“今”の風が吹いています。
武村社長の第一声は、まさにこの会社の本質を物語っていました。
武村社長:
「会社の価値は、人の価値です。」
名言出ました
武村鋳造所では、従業員42名全員が正社員。パートも派遣もいません。
理由は明快、「働く人に、目に見える幸せを届けたい」から。
さらっと言われましたが、それを実現するのは簡単ではありません。
だからこそ社長自らが現場に立ち、営業にも出向き、社員とご飯に行き、声を聞く。
15年かけて築いてきたのは、“辞めない会社”という奇跡のような現場でした。
現場で感じた「かっこいい」の正体
いよいよ工場内へ!
作業中にも関わらず、すれ違う社員さんが全員「こんにちは!」と笑顔で挨拶してくれました。
この時点で「うちの会社もこうなりたい」と思ったのは言うまでもありません。
そして目を奪われたのは、2トンの高周波電気炉から流れ出る真っ赤な溶湯。

ぱちぱちと火花が舞い、音と熱と光の洪水。
気を抜いたら圧倒されてしまいそうなその瞬間に、職人たちは冷静に、そして力強く仕事をこなしていきます。
「かっこいい」って、こういう姿のことなのだと思いました。
最後の仕上げ工程。
実は武村さんは「ボトルネック」と話すこの仕上げ工程。


「バリ」といわれる不要な部分を一つ一つ手作業でグラインダーなどを
使い落していきます。様々な形・小ロット対応などで自動化できず、全てが手作業となります。
仕上げ工程=必ず必要な工程、でも自動化できない。「人」の手が必要。
簡単そうに見えるかもしれませんが、非常に大きい鋳物についた「バリ」は工具を使ってもかなりの力が必要です。
さらに暑い夏場は、40度近い工場内で粉塵から身を守るためのマスクも着用して行う作業は非常に過酷です。
どれだけ機械化や自動化が進んでも、手作業の必要性や大切さは変わりません。製造現場には必ず、人の手だからこそ担える工程が残っています。
工場内にはクレーンや電気炉など多くの電気設備があり、粉じんや高温による摩耗が避けられません。
そのため設備保全に多大な費用がかかっています。
生産ラインが止まらないよう、各機械にセンサーを設置して異常を即座に検知したり、
消耗品を常備して迅速に対応できる体制を整えるなど、
品質と安定供給を支える努力が製品価格にも反映されています。
女性も活躍!働きやすさは本気の証
驚いたのは、現場で働く子育て世代の女性たちの姿。
1500度の鉄を扱う現場で、明るく、イキイキと作業しているんです。


鋳造所での作業はとても大変ですが、子育てをしながら働く女性社員の方々は、
子育て中の急な休みや行事等でなかなか思うように働くことができない悩みが多い中、
「この会社は理解があるので、働きやすく仕事がとても楽しいです!!」とおっしゃっていました。
武村社長:
働く全ての人に「目に見える幸せ」「継続的な豊かさ」を
提供したいと思っている。
社長の言葉通りの光景がここにはありました。

DXで変えたのは“人の意識”
「鋳物は重さで値段が決まる」
そんな時代の常識を覆すために、武村鋳造所が取り組んだのがDX化。
DXについて語る社長の武村さん

一つひとつの製品にかかる時間とコストを見える化し、適正価格で交渉。
結果として、残業も減り、納期のストレスも軽減。
けれど、それだけでは終わりません。
実はこの仕組み、社員が“自分たちで工程を調整する”余白を残しているんです。
完璧な自動化ではなく、自発性を引き出すDX。
こういう工夫が、“やらされ感のない現場”を作っているんだと実感しました。
武村社長の“器”に学ぶこと
今回の見学で一番印象に残ったのは、武村社長の言葉です。
武村社長:
「会社は、大人を育てる場所であるべき」
従業員に外の世界を見せる機会を与え、意識の成長を促す。
そして、誰よりも“自分が学ぶ”姿勢を見せてくれました。
武村社長のブログの読者として内心テンションが上がりましたが、
実際に会ってみてその文章力と人間力のギャップ(お酒が飲めないエピソード含め)にグッと惹かれました。
自社に繋げたい学び
この訪問を通して、自社に持ち帰りたいポイントは以下の3つでした。
- 「人の価値」=「会社の価値」という視点
- DXの導入は“効率化”だけでなく“自発性”のきっかけに
- 経営者が現場に立つのは、社員の姿や声に触れ、互いの理解を深めるためであり、本当に大切なのは「人を見ること」、そして「自分も見られること」
「かっこいい工場」は、設備でも技術でもなく、人の想いと姿勢から生まれているのだと痛感しました。
最後に
見学の最後に、「どんな会社にしたいですか?」と伺うと、社長はこう答えました。
「“こうありたい”を、先にやっている人を見て学び、真似していく。」
まさに今回、私がそれをさせてもらいました。
武村鋳造所さん、本当にありがとうございました!
また訪問できる日を楽しみにしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
書いた人:望月 洋帆
総務部所属。仕事と育児に奮闘中の2児の母。
外部研修・会社訪問を行い日々勉強中。他社からの学び・自社の魅力を楽しくお届けします!!
